Masahito Katayama
News
サイト開設から5年ほど、ニュース欄の更新をせず止まっていましたが、今年から少しずつ記録を残していこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
お知らせ
《風の系譜’95-I,》《風の系譜’95-II》(各227cm×180cm)が大阪中之島にある国立国際美術館のコレクションに加わりました。本作は、私の「風」シリーズの中でも大きな区切りとなった大作で、ロンドン渡航の直前、京都のアトリエで制作した作品です。1995年、東京上野の森美術館で開催されたVOCA展’95「現代美術の展望―新しい平面の作家たち」で発表されたものです。
《風の系譜》シリーズは、1980年代後半から続けてきた「風」という不可視の現象を、風にあおられた瞬間の気配──刹那と永遠の狭間にある感覚としてとらえ、時間・運動の痕跡としてキャンバスに定着しようとする試みの作品群です。 平面的な筆致と、物量のある顔料・アクリルを対比させ、表面に“揺れ”と“浅い奥行き”を生むことで、風の気配を画面に留めています。 この後、文化庁派遣芸術家在外研修員としてロンドンへ拠点を移すことになります。
私にとって本作は次の作品に展開するひとつの締めくくりとして思いの深い作品です。 収蔵にあたりご尽力いただいた関係者の方々に感謝申し上げます。
